もしかして遊んでいるかも

夫の様子が変だ。
同じマンションの同じ「園ママ」と顔を合わすとそわそわするのだ。
園の行事などでも彼女を発見するのが、異常に早い。

人は怖いものと、興味ある異性を発見するのは、早い。
ちなみに、彼女は私の天敵。

ママさんカースト制度の頂点に君臨するオンナ。

インドじゃあるまいし。
何を話しても「ね~っ」と即座にオーバーな相槌をくれる。
本当に聞いてる?こちらの情報ってあなたには常に既知情報?なんでもご一緒?お仲間だから?。

吐き気がする。
農村時代にタイムトリップ。
これぞ日本の村八分。

でも水はインフラで引かれるもの。
水田すら見当たらない地域ですし。
それにあいにくトイレは一人で行く主義。

でも、夫はそんな彼女が気になるのだ。
少女のようにスレンダーな体型、おかっぱ頭。
うっすら浮かぶ、そばかすがあどけない白人の少女みたい。
横浜出身者に恥じないよう、ジーンズをはじめとしたカジュアル姿が板についている。

夫は、有名国立大学を優秀な成績で卒業し、元国営だった巨大通信会社の研究員だ。
彼の職場には男子顔負けのマッドな理系女子が多いと聞く。
そして私みたいな、語学もキャリアも堪能な才媛?な秘書だの、有能な女性が粒ぞろい。
ってかそんなパスポートなしでは入室できない世界だ。

彼女は世界一稼ぐネズミのテーマパークが大好きだ。
年間パスポートを所持しているとのこと。
「子どもより楽しんじゃう」とそばかすの浮かぶ色白のファニーフェイスで、えへっと笑う。

そんな話を夫にすると、「へえ、呆れるな」と言いつつ、こみあげてるのは、微笑ましさと愛おしさ。
恋に落ちた男には、その女の全てが甘い音楽。
どこにでもいる目立ちたがりのオンナ。

自身の輪郭を失くしてまで、群れて笑いさざめきご満悦の人。
ハイスクールのクイーン。
それが却って目新しいんだね。
頑固で理屈っぽい個人主義の妻とは正反対、なんだね。

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